オーシャンファミリーとは
「海は面白くて楽しい」「海はすばらしい」そして「海は大切だ」を合言葉に、次代を担う子どもたちを中心に海の環境教育に関する事業を行い、地球環境の保全と、持続可能な社会作りを目的に活動をしています。
年間を通じてスノーケリングや磯の生きもの観察などの自然体験活動を行い、魚や海の生きものについて学び、さらに海から地球環境全体を考える学びの場を提供しています。
モイヤー先生と設立の経緯
1995年、東京都三宅島にて、世界的な海洋生物学者であるジャック・T・モイヤー先生が海洋環境教育事業を行うために現在のオーシャンファミリーの前身となる「海洋自然体験事業所」を設立しました。
40年以上に渡って三宅島で暮らしクマノミの性転換やヤッコ属の繁殖生態など、数々の業績で知られるジャック・T・モイヤー先生は、人間による自然環境の破壊に早くから注目し、それを防ぐためには教育がいちばん大切との信念から、子供たちを中心とする数々の環境教育プログラムを手がけてきました。
2000年の噴火による全島避難、また、2004年にモイヤー先生の逝去とつらい事が続きました。
しかし、20年以上前から先生が危惧していた環境破壊はより拡大し、環境教育の大切さは重要さを増す一方です。
私たちは先生の遺志を継ぎ、「子どもを海で元気に、元気になった子どもが海を元気に」を合言葉に、活動を続けてまいります。
代表ごあいさつ
本年(2016年)1月に、2007年より可動していたオーシャンファミリーのホームページを9年振りにリニュアルすることとなりました。
オーシャンファミリーは、前項に詳細がある通り三宅島在住の海洋生物学者故ジャック・モイヤー博士が創設されました。
モイヤー先生が三宅島で、海の教育を開始してから63年、海洋環境教育三宅島サマースクールが開始され「オーシャンファミリー」として活動してから32年がたち、長い歴史を経てきました。※
2000年三宅島火山噴火避難がきっかけで、2002年葉山にも拠点を構え(葉山と三宅島両方に拠点があります)15年目を迎えます。
人類の未来のためには、自然環境を守ること、特に生命活動に欠くことのできない水の97.5%以上を有する海を守ることが重要。
しかし、多くの人々は海の環境に眼をやることがありません。
この問題を解決するには、海とそこ生存する海洋生物の生態にふれ、興味関心を持ち、保全保護意識を持つ必要がある。
一人でも多くの人が、特に子どもの時から、と三宅島サマースクールが開始されました。
その教育の手法は、三宅島の小学校の環境教育、地域教育に生かされていきました。
一人一人が変わることも重要ですが、そのことが発展するためには、地域が変わること。その思いで、三宅島の小学校の先生(当団体の副代表中村泰之先生)が、三宅島の子ども達の海の教室「三宅島マリンキッズ」を開始し、三宅島火山噴火避難中も避難先で継続されました。
オーシャンファミリーでも、事業再開した葉山で海辺の地域次世代育成活動として「葉山マリンキッズ」を開始しました。
子ども、ひとりひとりが変わること、その受け皿、場として地域が変わること、その為に、小学生中心だった子どもの教室も未就学児に広げ、現在は親子で生まれた時から、シニア世代に至るまで全世代教育を展開することとなりました。
また、海の環境が良くなるためには陸の環境が良くなること、海のための森づくり、森林整備活動も開始しました。
海、海からつながる自然と人のつながりの場と機会を深いものとするため、里山保全活動にも取り組んでいます。
「好きになったら、守らずにいられない」
海が好きに、生物が好きに、自然が好きに、里が好きに、故郷が好きに…
オーシャンファミリーは、これからも一層、海の生態系・環境を守るための基盤となる体験教育、海でつながる人の輪を広げ、海と海につながる自然環境の保全、人と自然のつながりの場である里海里山の再生創生活動をつづけ、人と海・自然の共生社会を目指していきたいと思います。
2016年1月12日 海野 義明
※その歴史: | |
1953年 | ジャック・モイヤー博士が三宅島に移住、島の中学校に赴任し、島の子どもたちに自然保護・保全思想にもとづいた海の体験教育を開始する。 |
1975年 | アメリカンスクール中心に生物・自然・文化を主体とした環境教育を始める。 |
1984年 | 全国の小学生から高校生を対象とした、海洋環境教室:三宅島サマースクールを開始する。 |
1998年 | それまで、三宅島サマースクールを支えていたスクーバダイバーの仲間:オーシャンファミリーから海野家が事務局を継承する。 |
2000年 | 三宅島火山噴火避難先の都内避難先で、NPO法人準備にはいりモイヤー先生と海野が共同代表となる。 |
2005年 | NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センターとして法人登記。 |
2020年 | 認定NPO法人格を取得、法人名をオーシャンファミリーに変更。現在に至る。 |
三宅島: 葉山: |
東京都伊豆諸島に所属する火山島。 神奈川県三浦半島の西側基部に位置する海辺の町。 |
Vision, Motto, Value
Vision目指す姿 |
「海で子どもを元気に、元気になった子どもが海を元気に」
海は、楽しさや怖さ、発見の喜び、果てしない好奇心、挑戦と自信、仲間の存在、自然への畏敬、等々たくさんのことを体験させてくれます。 |
Mottoスローガン |
「海は楽しい、海は素晴らしい、そして海は大切だ!」
楽しい体験をし、海の素晴らしさに気付いて海を好きになれば、守らずにはいられなくなります。 |
Value行動指針 |
➀「自分も自然の一部だと認識する」自然を自分と切り離された外部として観察するのではなく、自分自身もその循環により生かされている一部だという事実を体験を通じて深く認識することは自然を守る次世代を育てる上で最も大切なことだと考えています。 ➁「主観を育み、changemakerを育てる」この豊かな自然環境を維持するためには、自然を好きで大切にすることが最も大切なことですが、それだけでは十分ではありません。既存の価値観や仕組みをガラッと変える改革者が社会には必要です。そんなchangemakerが生まれる土壌となれるよう、答えを教えるのではなく問いを提示することで、現在の価値観による客観的な評価ではなく、自分がどう感じ何をしたいのかという主観を大切に育んでいきます。 ➂「Think globally, act locally!」One ocean, one peopleという言葉があるように、海は全てつながっていて、人類はヒトという同じ種の仲間です。自然環境を考えるには、自分が生活する場所で行動することと同時に、地球規模で考えるマクロな視野が必要です。 |

海野 義明(うんの よしあき)
認定NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター 代表理事
B&G葉山海洋クラブ 代表
■職歴
1982年4月~1993年3月 日本動物植物専門学院教師
1993年4月~2000年8月 三宅島自然ガイド
1999年4月~現在に至る 東京都鳥獣保護員
2002年4月~現在に至る NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター 代表理事
2005年7月~2007年3月 三宅島自然ふれあいセンターアカコッコ館 環境教育専門官
2006年5月~現在に至る NPO法人海に学ぶ体験活動協議会(CNAC)代表理事
2007年4月~現在に至る 日本福祉大学福祉経営学部非常勤講師(健康スポーツ演習・マリンスポーツ)
1955年、神奈川県三浦半島葉山町生まれ。大学時代は、丹沢を中心に野生動物の調査活動に専念。日本動物植物専門学院にて11年間教師として勤務し、自然観察指導、スキンダイビング指導、日本及び海外での野外実習(野生生物観察、実習指導)指導を行う。
1993年、三宅島に海洋と自然、風土に根ざした生活をすべく移住し、ダイビングやシーカヤックのインストラクター、ネイチャーガイドとして島の自然を案内しつつ漁師としても生活する。三宅村の小学校はじめ各種団体の子どもから大人までを対象に海洋・自然教育を実施 三宅島在住の海洋生物学者 故ジャック・T・モイヤー博士と共に海と自然の教育「三宅島サマースクール」を主催。
2000年、三宅島火山噴火により島外避難後、神奈川県三浦半島葉山に事務所を移転し、フィールド型の活動を再開しつつ、全国で海洋自然教育・地域子ども育成活動、海辺の指導者養成事業、体験活動の講演・実技指導を実施。
■著作(共著)
○子どもは海で元気になる―実践・海洋自然教育― 早川書房
○自然体験活動ガイドブック 海辺の達人になりたい 国土交通省監修、ウェイツ
○B&G海洋性レクリエーション指導者教本 B&G財団
○カヌースノーケリング―指導のための安全ガイド― NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター