【11/19更新】葉山町の海岸にも軽石が漂着

2021-11-15

【11月12日(金)@葉山町大浜海岸】

今日夕方に葉山公園下、大浜海岸で軽石漂着を確認しました。

これまでに見ないタイイプの軽石が相当数あり、沖縄の軽石の写真と似ているので小笠原近海の海底火山福徳岡ノ場から放出された軽石と思われます。

11月10日に式根島で確認され、葉山町では昨日今日と強い南西の風が吹いているので軽石が漂着してるであろうと海岸を観察したところ、5m幅に数個の頻度で軽石が観察されました。

大きさは数ミリから3cmほどで、軽いので波打ち際ではなく、風に吹かれ上部の古い漂着物の帯に紛れていました。

 

 

【11月13日(土)@葉山町大浜海岸】

今朝は軽石の漂着状況を少し詳しく観察しました。

(昨日までと打って変わって穏やかな海です。朝焼けの富士山がきれいでした。)

漂着軽石はは満潮汀線より5~10mほど上の流木や木の葉が堆積した漂着物の帯の中に紛れています。

主に11月11日以前の漂着帯にですが、この日に漂着したか12日に漂着して吹き寄せられたかは定かでありません。

大浜海岸は西にむいており南西~西風で漂着物が吹き上げられます。

11月11日以前の随分前の漂着帯にも軽石が吹き上げられていますので、

11月12日以前に漂着があったかどうかは特定が困難です。

ある程度多数の軽石が観察されたのは昨日11月12日です。

軽石は多いところで1㎡に35個計数されました。

主に小型(数ミリ~1㎝ちょっとのサイズ)の軽石が吹き溜まったようなところです。

無いところはゼロ。

500m幅の大浜海岸で軽石の全量は推定バケツ2杯程度と思われます。

軽石のサイズは4㎜から52㎜で、10㎜以下のものが数は圧倒的に多く、

次いで10㎜~20㎜サイズのものが多く、それ以上大きなものは稀です。

 

4㎜以下の軽石は見つからなかったので、それ以下では海中に沈んでしまうのか、

砂浜に沈降してしまうのかもしれません。

 

昨日夜から今朝までの漂着物帯の中に新しい軽石は発見されませんでした。

昨夜半から風は弱まり北~南1~2mの風ですので今日は軽石の新たな漂着は無いと思われます。

追記。大浜海岸北側にアカウミガメの漂着死体が打ちあがっていました。

 

 

【11月13日(土)PM @葉山町の各海岸】

・真名瀬漁港・・・無し

漁師に聞き込みをしましたが見ていないとのことです。

 

・真名瀬海岸・・・無し

 

・葉山漁港・・・無し

港の吹き溜まりにも浮かんではいなかった。

 

・葉山港・・・無し

聞き取りでも無し。県からは、鎌倉に漂着があったから注意するようようにと情報が入っていて、

注意喚起のペーパーがカウンターに置いてあった。

 

・森戸海岸・・・ほとんどなかったが、10m幅に5個小さな軽石が漂着しているところがあった。

海岸全域でもバケツにわずかしかないだろう。

森戸の磯が防波堤になっている感じだ。

 

・一色海岸・・・少なく、ところどころ小型5mmから15㎜程度の小型の軽石が10m幅で

3~5個。

全域でバケツ半ばいくらいだろう。

小磯が防波堤になって漂着が少ないようだ。

 

・長者ヶ崎海岸・・・あまりなく10m幅で0かあっても5個ほど。海岸全域でバケツ半ばいくらいだろう。

長者ヶ崎が防波堤になって少ないのだと思う。

 

今日の4海岸で軽石の総量はバケツ3杯半くらいと思われる。

外洋に面した岩礁地帯には10m幅で1つしか確認できなかった。

岩礁にあたって砕け沈んでしまうのか、石の中に落ち込んでしまって確認が少ないと思われる。

 

【11月17日(水)AM @沖縄県那覇市】

漂着軽石の現地調査に来ている沖縄からの報告です。

那覇市の天候は、曇り時々晴れ気温は21~24℃、北東の風3~4mです。

潮位は中潮、那覇市で干潮11:55に65cmです

 

まず南部に向かい南城市佐敷干潟の状況です。

風は海方向から吹き軽石は湾奥から300m沖合までびっしり浮かんでいます。

 

汀線の軽石です。

海藻にびっしりつもあっていたり、

カニが軽石をどかした後の穴があったり、

干潟の生き物たちも大変そうです。

 

同行してくれている自然探求ネットワークの照屋隆治によると

干潟の鳥が全然いないと言っています。

干潟が全面軽石に埋め尽くされておるのでゴカイやカニを取ることができず

飛来していないのでしょう。

 

・全景湾奥から300mくらい沖まで軽石に覆われている・汀線上の軽石カニが掘った穴も、大変そうだ

・海藻の上にも全面軽石が積もっている

・海面の軽石をどけると海中の海底にも一面軽石が沈んでいます。

・汀の様子。岸も海面も一面軽石。

・軽石をどけると2~3cm下に海藻が顔を出します。・海面の軽石

・軽石の大きさは0.5~52㎜でした。圧倒的に5㎜以下のサイズが多いです。

・沖合を見ても船が一隻も動いていません。航行するとエンジンの冷却水の取り入れ口から軽石を吸い込んで冷却ポンプがつまりエンジンがオーバーヒートして航行不能となるので警戒して海に出ないのでしょう。

 

・佐敷干潟海からの風が強くなって

佐敷干潟隣接の園地のあずまやで現地情報を上げている私(海野義明))です。

干潟の鳥類を観察してくれている自然探求ネットワーク沖縄の照屋隆治氏です。

昼になり上げ潮になるとともに北東の風(海からの)が5mと強くなり軽石が岸の方に吹き寄せられてきました。

昼前11時ころは一面広がっていた干潟外側の軽石が

12時には岸近くまで吹き寄せられて来ました。

岸は全面軽石です。

1mm前後から1cm前後までの小型の軽石がほとんどです。

手で掘って深さを探ってみると20cmほど積もっていました。

波で常に砂がかき混ぜられている場所に生息し、そのような環境には慣れている砂浜の生物とはいえ、風向きが変わり軽石が沖に移動するまでこの動きが毎日繰り返されます。

満潮になって軽石が海水に浮かんで移動するまで、砂浜の生物は大変そうです。

 

佐敷干潟北岸には1時間半ほどの滞在でしたが、風によって軽石の漂流や漂着の動態がアッという間にかわる様子をまざまざと見せつけられました。