海猫ニャン太のカヌースノーケリング教室 オーシャンファミリー
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カヌーイングの指導法と安全管理(1)
1) 出艇前

【パドルの持ち方の指導】
パドルは「自転車のハンドルのように順手で握る」と説明するとわかりやすいでしょう。
握る位置は、シャフトの真ん中を頭に乗せたとき、ひじが直角になる位置です。
ブレードの左右は、「おもて面(パワーフェイス)が後ろを向くように」あるいは「自分に向かい合うように」と指導します。
パドルには、左右のブレードが異なる角度でシャフトにつけられている「フェザータイプ」と、同一角度の「アンフェザータイプ」があります。初心者や子どもでは、アンフェザーのほうが漕ぎやすいようです。
【漕ぎ方の指導】
カヌーの基本の動きは「前進、止まる、曲がる、後進、回転する、横に移動する」です。そのためのパドル操作(漕ぎ方)を、フォワードストローク(前漕ぎ)、ストッピング(止まる)、スターンラダー(後ろ舵とり)、リバースストローク(後ろ漕ぎ)、スウィープストローク(曲げ漕ぎ)、ドローストローク(寄せ漕ぎ)といいます。参加者が確実なパドル操作ができるよう、出艇前に指導し確認しておきましょう。初心者への指導は、専門用語よりわかりやすい言葉で行いましょう。
フォワードストローク

フォワードストローク
フォワードストロークは、すべてのパドル操作の基礎です。航行中も必要に応じて修正指導をしましょう。
リバースストローク

リバースストローク
リバースストロークは初心者には漕ぎづらいものですが、ストッピング、スターンラダーへの応用がきく大事な操作です。
スウィープストローク

スウィープストローク
ドローストローク

ドローストローク
スウィープストローク、ドローストロークも確実にできるよう指導しておきます。
2) 乗艇時

カヌーへの乗り込み方にもコツがあります。艇の横に立ってまずお尻をシートに乗せ、お尻を支点に90度体を回しながら素早く乗り込みます。
2人艇の場合は、バランスを考え互いに反対側から同時に乗り込みます。あるいは、後ろに乗るひとがスターンを押さえて前のひとを先に乗せ、次に自分が艇を海に押し進めながら乗り込みます。
初心者の場合は、乗艇時に指導者が艇を押さえてサポートし、乗艇できたら海へ押し出してあげると安心です。
乗艇時、艇は波に向けて垂直に位置させます。そして、岸から波を直角に乗り越えるようにして素早く出て行きます。
波打ち際でバランスをくずして落水すると、艇の下敷きになる危険があります。「海に落ちたら、絶対に艇の陸側には回らない」と、注意しておきましょう。
出艇時はあわただしく、ついパドルへの意識がおろそかになりがちです。「パドルはしっかり握って、波にさらわれないように」と、注意しておきましょう。
3) 出艇直後

指導者が2人以上いる場合は1人が先行して出艇し、沖の集合地点で参加者をまとめて全員がそろうまで待機します。
指導者が1人しかいない場合は、出艇前に「沖の集まる場所」を参加者に指示しておき、待機していてもらいます。指導者は最後に出艇して合流します。全員がそろったら、いっせいに漕ぎ出します。
全員がそろうまでの「沖の集まる場所」は、できるだけ岩やブイなどわかりやすい目標物を定めると、参加者がとまどわず安心です。また、待機中に風下に流されることを考慮して、「沖の集まる場所」は出艇場所よりも風上方向にするのが望ましいです。
初心者はとくに、「漕ぐ手を休めているとカヌーは停止している」と思い込むことがありますが、じつは風や潮流で少しずつ流されていきます。指導者が1人の場合、先に出て待機している参加者と合流するまでの間、指導者は風向きと風の強さをふまえた上で、参加者の風下の状況をつねに把握しておく必要があります。消波ブロック、海水浴客、漁船などがないかどうか、合流までのタイムラグと距離感を考えた安全管理が求められるのです。
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